アニメ版は11話途中からオリジナル展開。先生との最後の化かし合いはなく、あっさりと終わった。それはそれでスッキリしていたからよいのだけれども、アニメだけしか視聴していないひとは、是非ともマンガも読んでほしい。

僕だけがいない街。まあ、僕街と称されるこの作品は、タイムリープ能力を持った少年が、自身に振りかかる災厄のような姿の見えぬ知能犯と過去に戻って事件を未然に防ぐ物語である。犯人が誰なのかは、正直、勘の良い人ならすぐにわかる。ゆえにもどかしさがあるのだけれども。

今まで、タイムリープものといえば、『時をかける少女』『ひぐらしのなく頃に』『シュタインズゲート』『まどか☆マギカ』『マブラブオルタネイティブ』があげられてきた。他にもあるかもしれないが、ぼくが思い浮かべるのはこのあたりだ。『涼宮ハルヒの憂鬱』のエンドレスエイトもタイムリープではあるが、全体の作品としてはタイムリープものではないので、ちょっと違うかな。

タイムリープってなんぞや。これは、タイムマシンとは少々違うのだが、時をかける能力だ。過去の自分に、今の自分の意識をタイムスリップさせることをいう。いわゆる、タイムトラベルものの、タイムパラドックスのひとつである「過去の自分と未来の自分が出会って世界が崩壊する」が存在しないタイムスリップものと捉えていただければ、いいだろう。

『僕だけがいない街』はタイムリープものとしては、ちょっとめずらしい特徴がある。今までの人生で何度となくタイムリープをしてきたという設定はあるものの、今回の事件に関するタイムリープは2回、あるいは大きくは3回しかしていない点だ。

今までのタイムリープものは、ほとんど成功するまで数えきれないほどの失敗を繰り返す特徴があった。『シュタインズゲート』の岡部倫太郎はその度重なる失敗により心を壊す寸前にまで追い詰められた。『ひぐらしのなく頃に』の古手梨花も心折れそうになる場面は何度となく合った。そうしたものを描くのタイムリープものというイメージすら合った。

だいたいのタイムリープものは、己の意思で、行動で、何度となく繰り返す特徴がある。だが『僕だけがいない街』のタイムリープは、藤沼悟の意思とは別に、危機的状況に陥った時になぜか引き起こされるのだ。それゆえに、失敗すれば、次にちゃんとタイムリープがされるのかどうかがわからないのだ。次に挑戦できるかどうかがわからない。そこのハラハラ感は、『僕だけがいない街』独特の楽しさだったように感じる。

マンガ実写化を成功させる男として定評ある藤原竜也さん主演の実写映画が絶賛公開中であり、マンガ連載がされていたヤングエースでは外伝マンガの連載が開始する。スピンオフ小説の販売もはじまったばかりだ。

物語は最終回を迎えたけども、コンテンツとしての『僕だけがいない街』はまだまだ楽しませてくれそうである。実に今後が楽しみだ。

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