申年である。
ゆえに、申について、思いついたことを書き留めておく。

十二支における八番目。
方角は西南生。
時刻は午後四時、もしくは午後三時から午後五時。

申の妖怪は西遊記の孫悟空が一番有名だろうか。
猩々も猿の妖怪とされる。

今もまだ身近なケモノのひとつ。
どこそこの街で迷い猿なんて時事ネタになることもしばしば。
山に行けば、今でも普通にいる。

猿回しの芸能は、いまだ健在。
浅草にいけば市中引き回しの刑、ではないが、
寺の境内で芸を披露する猿を見ることができる。

東京・サブカルのメッカである高円寺には庚申通り商店街がある。
イメージキャラクターが猿だ。
食べ物の多い通りで食い倒れることができる。

庚申講は廃れている。
今もしているひとはいるのだろうか。
わからない。

どんな催しかといえば、徹夜する催しだ。
体の中に棲み、宿主の言動をじぃっと監視する三尸の虫というあやかしがいる。
その虫が神に報告に行く日があるのだが、宿主が眠らねば出て行くことができない。

報告をされると神罰が下るかもしれないので、
それをさせないために徹夜する。
人間とあやかしの根気比べ。
それが庚申講だ。

今は何もなくとも徹夜をするひとばかり。
三尸の虫も大いに困っていることだろう。

ハレというのか、
こうした神事は悪さをするものも時折ある。
夜の闇にまぎれて豆を盗むなんてものもある。

その間、己は神となるのだ。

創作上では神に対してなすすべのない人間を描かれることは多い。
だが、案外、民間信仰を紐解くと人間は神への反発しようと試みることが多い。
今も昔も、さほど変わらず、叛逆し続けているのかもしれない。

さて、そんな申年だ。
今年もしっかり生き延びよう。
がんばって逆らい続けよう。

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