女子の気持ちはわからないけども、たいていの男子たるもの一度は旅に憧れるものだろうし、廃墟を探索してみたいという欲求は持ち合わせているもんじゃなかろうか。そうじゃないひとも、いるにはいるのだろうけどもね。

あれは20代半ばの頃だ。探偵ファイルに所属していた当時のぼくは、Ustream配信をしながらママチャリで長崎を目指して廃墟巡りの旅をした。東京を出発して、横浜を巡り、小田原で温泉を楽しみ、箱根を超えた。静岡では呪いの廃家屋、霊能力者も裸足で逃げ出す大崩トンネルを探索した。

廃旅館、廃小屋、廃休憩所、廃ラブホテル、廃校舎…。廃のつくものなら、なんでも巡った。2週間の旅だったけれども、14箇所は巡った。Ustream配信は123万PVを記録。サブカルな世界を徘徊していると、当時のファンや、放送を見たことがあるひとと巡り合うこともチラホラあった。

あの廃墟巡りの旅は、ぼくの人生の武勇伝のひとつだ。時に、あの時の旅を想起することがある。ママチャリを12時間、漕ぎ続ける。方向音痴なので、目的地にはなかなか辿り着けない。しかし、冒険をしているというあの感覚。愉しくて、愉しくて、たまらなかった。

あのような旅をすることは、もう無いかもしれない。そんな無茶をしているような歳でもなくなってきたかもしれない。でも、だからこそ、したくなる。何かチャンスが有れば、飛び込むかもしれない。軽率に生命を賭した、阿呆なお遊びに。

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