九州の柳川高校で幽霊に取り憑かれたとして女生徒15人以上がバタバタと倒れたという事案が発生した。その様相は女生徒のツイッターにて発信されており、ひとびとの注目を集めた。ぼくは以前、都市伝説について随分とモノの本を調べたことがある。そこで「こっくりさん」について調べたときに、似たような事案が多数起きていた。

一昔前であれば、こうした集団パニックは「キツネの仕業か」と言われていたようだ。それはコックリさんが流行っていたこともあるのだろう。人間というものは、このようなよくわからぬものに対面した時、妖怪を生み出す。妖怪の仕業として納得するのだ。今回は狐の仕業とはされなかったものの、幽霊の仕業とされていた。人間は変わらぬのだなあと嬉しくって笑いが込み上げる。

ぼくは妖怪が好きだ。だから、こうした、人間心理の中に妖怪を見ると楽しくなってしまう。幽霊は妖怪か否かは迷うひともいるかもしれないが、幽霊は妖怪の一種であることは言うまでもない。モノの本に当たればそうだ。もう黙れ。これの定義に関して兎や角うだうだ話しても埒が明かない。そうだから、そうでいいのだ。

古来の日本には、家畜がわんさかいた。なので、ウシやウマ、キツネにタヌキ、カワウソに関する妖怪も多かった。もちろんイヌやネコの妖怪も多かった。今では、怪談に現れるのはヒトの妖怪。幽霊ばかりだ。ネコやイヌも少なくはない。ヘビは極稀だろうか。身近に居るものが妖怪とされる。女生徒が幽霊と称したのは、人里はケモノが随分と減ってしまったことの現れだろう。

それでも、それでも、幽霊騒ぎが巻き起こるのは素晴らしい。ぼくは常々、妖怪がいない世界なんてつまらなくて仕方ないと考えている人間だ。「柳川高校には幽霊がいた」という事実。こうした怪事件がツイッターによって伝わってくる。妖怪は江戸時代も噂によって広まっていたのだ。ツイッターはまさに現在の噂発信の場である。

そこに妖怪が居る。嗚呼、愉快。とてもとても愉快。心躍る展開とはこのことだ。願わくば、もっともっと怪異が増殖してほしいものである。ひとの世に怪あれ。ひとの世に不思議あれ。

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