ぼくの子どもではない。友人H氏だ。やつとは和歌山の小学校からのツレで、東京に来てからもよく呑む。先月は九州博多へと共に旅をした。そんな仲だ。

今月半ばには生まれると聞いていたが、よもやもう生まれるとは。H氏も驚いていたようだった。近頃の呑みの話題は、不労所得と子どもの話題だった。生まれてくる子どもがおんななら、「ゆかり」「ゆりか」がいいと言っていた。

そう、H氏は王国民なのだ。田村ゆかりさんの大ファンなのだ。九州博多もラブライブ(※田村ゆかりさんのライブのこと)がH氏にとっての本命だった。あと一ヶ月で生まれるかもしれない妊婦をおいてのライブ参戦。これほどやつをホンモノだと感じたことはなかった。

たまたま、ぼくのアイフォンがぶっ壊れてしまっていた日だった。やつの子どもの誕生日が、ぼくの今の手持ちアイフォンの誕生日でもある。6月9日、か。覚えやすげな日にちだなあ。そういえば、H氏は父を早世している。年齢は知らないが、小学生の頃に葬式があったのを覚えている。

博多天神で大いに呑んだ時、H氏は大いに酔っぱらい、そのことを多少なりとも気にしているのを知った。とはいえ、H氏は聡明な人物だ。卒なく父親の役割をこなすだろう。きっと。いつ結婚できるのか定かではないぼくがいうのもなんだけれども。心に棚を作るのはよいことだ。

男の名前は考えていないといっていたH氏に、なんて名前にしたのかと聞くと「日本丸」とかえってきた。これ、まだ迷っているということなのだろうか。或いは、ぼくに名前を教えないつもりだろうか。呑んだときも「日本丸しか思いつかない」と笑っていたが、なぜこれを推すのだろうか。

まあ、H氏の子どもは当分「日本丸」と呼ぶ方向性にしておこう。元気に育ってくれればそれでいいや。もう。

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